急性の痛みやケガなどの外から強い刺激を受けて炎症が起きている場合は冷やすことが有効ですが、痛みが慢性化している場合は温めることが痛みの改善には効果的です。
「冷え」が及ぼす影響
痛みが慢性化しているケースでは患部の血行が悪化し、一度痛みが治まっても再び炎症を引き起こす化学物質が残っていたり筋肉が硬くなり老廃物の排出がスムーズに行えない状態になっていることが考えられます。
そのままにしておくと患部の腫れや膝周りのこわばりによって筋力の低下につながり、常に痛みを感じる為日常生活にも支障をきたす恐れがあります。
冬はもちろんですが、夏もクーラーなどにより想像以上に体が冷えていることがありますので、私達の体は一年中冷えにさらされていると言っても過言ではありません。
「冷え」を改善するには?
冷えにより痛みが引き起こされている状態を改善するには患部を温め、血流を促進させる必要があります。
血液の流れが良くなると新陳代謝が活発になる為、老廃物や痛みの元になる化学物質が排出されやすくなるだけでなく、損傷した組織の修復が速やかに行われることで回復を早めることができます。
病院などの医療機関では電気・超音波・赤外線などを使い細胞の深部まで温めることができ温熱療法が行われますが、家の中でもご自分で体を温める方法もあります。
入浴
シャワーなどで済ませずに、しっかり湯船に浸かり体を温めましょう。
この時に熱いお湯ではなく38~40℃の少しぬるめのお湯にゆっくり浸かるのがポイントです。
そして肩まで浸からず胸くらいまで浸かるいわゆる「半身浴」にすると、のぼせることなくじっくり体を温めることができます。
熱いお湯に浸かるとその時は体が温まったように感じますが、体の内部までしっかり温めるには少し時間がかかりますのでぬるめののお湯に15~20分は浸かるようにしましょう。
さらに入浴後の体が温まり血行が良くなった状態でストレッチを行うと効果的ですので、余裕があれば是非取り入れてみてください。
※基本的なストレッチについては「膝周りのストレッチで痛みを改善」をご覧ください。
日常生活の中での意識
普段の生活の中でも冷えの対策を行うことができます。
職場や乗り物の中などでは座っていることが多く脚が冷えやすいので、夏でもクーラーの風から脚を守る為にレッグウォーマーやひざ掛けを使うようにしましょう。
この時膝周りだけでなく脛や足先まで覆うようにすると効果的です。
またサポーターも冷えの対策に役立ちます。
サポーターは膝を覆っているので普通の物でも保温効果が期待できますが遠赤外線効果がある物もあります。
さらにサポーターは関節を安定させる効果がありますので「変形性膝関節症」の方はもちろん、骨格上の異常がない方でも膝に不安がある場合は症状の進行を防ぐ意味でも普段から着用すると良いでしょう。
そして冬の一番寒さが厳しい時期などは患部を直接温めることができるカイロや温シップを使うのもお勧めです。
まずは今の生活スタイルに無理なく取り入れられることから始めて、少しでも「冷え」を予防することで膝の痛みの解消につなげましょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿