肥満と膝の関係
膝という関節は常に体重がかかりやすく、歩行時には体重の約3倍、階段の昇り降りの際には約8倍の負荷がかかると言われています。体重が60kgの方の場合、普通に歩くだけで180kgもの負担がかかっているのです。その為、体重が1kg増えるだけでも膝にはさらに3kgの負担が追加されてしまうのです。
さらに肥満の方は運動不足になりやすい傾向があり、関節を支える筋力も低下しやすいという現実があります。痛みがあるとさらに運動を行いづらくなり、ますます筋力が低下し膝への負担が大きくなるという悪循環が起きてしまいます。
このような状態を防ぐ為には、無理の無い範囲で運動を習慣にすることが重要です。膝の痛みがひどく運動が困難な場合は、股関節のストレッチから始めてみても良いでしょう。
※股関節のストレッチについては「膝の痛みを解消する為には股関節の状態を改善する必要がある」をご覧ください。
効率よく体重を減らす方法
脂肪を減らし体重を落とすには一日30分程度ウォーキングなどの有酸素運動を行うことが理想ですが、体重が重かったり今までほとんど運動をしていなかった場合は、いきなりウォーキングをするとさらに膝に負担をかけてしまい症状を悪化させてしまう場合があります。その為、膝への負担が少ない水泳や水中ウォーキングなどのプールで行う運動から始めた方が安全かもしれません。
負担の少ない有酸素運動
特に水中ウォーキングは泳ぎが苦手な方でも簡単に行うことができるのでお勧めです。
水中では浮力が働く為、胸まで水に浸かると体重は陸上の30%程度になります。その為、膝や腰に不安のある方でも関節の負担を少なくした状態で、脂肪燃焼に効果的な有酸素運動を行うことができます。
また、水中の抵抗は空気中の800倍と言われていますので、普通に歩くだけでも筋力トレーニングになります。慣れてきたら歩幅を広げたり、横歩きや後ろ歩きをするとさらに広範囲の筋肉が鍛えられますので、体調を見ながら挑戦してみると良いでしょう。
その他にも水中ウォーキングは水圧がかかることにより心肺機能が高められたり、血液の循環が促進されることでむくみの解消につながるというメリットもあります。
もし運動自体に慣れていなかったり水に怖さを感じる場合は、壁につかまりながら歩いたりビート版を支えにして歩くところから始めても問題ありません。
摂取カロリーをコントロールする
食事の面でも体重を適正に保つ努力が必要です。
食べ過ぎは良くありませんが、極端な食事制限を行うことも避けましょう。食事量を極端に減らしてしまうと必要な栄養素まで不足してしまい、関節を保護する役目の筋肉が減少してしまう可能性があります。その為、食事の全体的な量は減らしても栄養のバランスは崩さないように意識しましょう。
体重を減らすことは容易ではありませんが、できる運動から少しづつ始めたり無理の無い範囲で食事を改善し徐々に適正体重に近づけ、膝の負担の軽減を目指しましょう。
※ダイエットの方法について、詳しくは「健康運動指導士が教えるダイエット」をご覧ください。
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