膝の外側が痛い場合の対処法

膝の外側に痛みがある場合は「腸脛靭帯炎」の可能性が考えられます。
腸脛靭帯炎の特徴としては、膝の外側の痛みが運動時や運動後、患部を指で押した時に起きることが挙げられます。

初期症状は痛みというよりも膝の外側に緊張や違和感を感じる程度ですが、症状が進行すると痛みが慢性化し膝の曲げ伸ばしが困難になり、膝を伸ばしたまま歩くという状態になってしまいます。


腸脛靭帯炎とは?


腸脛靭帯とは太ももの外側を覆う長い靭帯で、膝の外側の安定性を保つ役割を果たしています。
この靭帯が膝の曲げ伸ばしの際に骨にぶつかったり擦れたりすることで摩擦が生じ、それが繰り返されることで炎症が起き腸脛靭帯炎を発症します。

腸脛靭帯炎になりやすいのは陸上競技の長距離選手ですが、ランニングやマラソンを行っている一般の方にも多く見られます。
特に足の外側に重心がずれている方やO脚気味の方は太ももの外側に負担がかかる為、腸脛靭帯炎になりやすいのです。

 

腸脛靭帯炎の対処法 

腸脛靭帯炎になった場合の対処法としては、まずは安静にして疲労を取り除くことです。急性の強い痛みがある時はアイシングを行い、炎症を鎮める必要があります。 また靴の外側が早くすり減るという方は、足裏の状態を改善することも腸脛靭帯炎の予防につながります。


再発予防の為の対策


痛みが引いてきたらストレッチを行い再発防止に努めましょう。
特に太ももの横と、そこにつながるお尻にかけてを重点的にストレッチを行うことが重要です。


背中が床から浮かないように、膝を曲げた右足を反対側にゆっくり倒します。
この時左手で膝を持って引くようにすると行いやすくなります。
10~20秒静止したら反対側も同じように行いましょう。


左足を上にして足を交差させ、左の膝を立てておきます。
右手を左の太ももの外側に回し、ゆっくり腰を捻ります。
膝を両手で抱え、胸に引き寄せるようにしても効果的です。
痛みを感じず無理なく行えるポジションで10~20秒静止し、反対側も同じように行いましょう。


補助器具を使ったストレッチ


さらにストレッチポールを使って、太ももの外側にある「大腿筋膜張筋」に直接圧をかけてほぐすことも有効です。


写真のようにももの外側、大転子(足の付け根の骨)のやや下をストレッチポールに乗せ、小さく前後に揺らし筋肉をほぐしていきます。
10~20秒ほど経ったらストレッチポールの当てる場所を少し下にずらして同じようにほぐしましょう。このように少しづつほぐす場所を移動させ、膝の少し上まで行ってください。

このストレッチを行う時は、重心をストレッチポールに当たっているももの部分にしっかり乗せるようにしましょう。
また、初めて行う時や大腿筋膜張筋の張りが強い方は痛みを伴う事があります。その場合は動きをつけず、ゆっくり呼吸をしながら同じ場所でしばらく静止しましょう。
動きをつけるのは痛みが軽減してからで問題ありません。




日々の心掛け


普段のストレッチ以外にも運動前のウォーミングアップと運動後のクールダウンも腸脛靭帯の負担を減らすために必要ですので、忘れずに行いましょう。

長距離の陸上競技以外にも自転車や水泳などでも腸脛靭帯炎を発症する場合がありますので、膝や太ももの外側に痛みや張りを感じた場合は早めにアイシングやストレッチなどの対処をするようにしましょう。

                   

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