しかし年齢の問題以外にも膝の痛みを引き起こす原因は多々あります。特に日常生活での姿勢の乱れによる膝への負担は、気づかない間に日々積み重なっているのです。
O脚の原因
日本人女性の8割がO脚と言われており、原因は日常生活にあると考えられます。
両脚のくるぶしを合わせて真っすぐに立った状態で膝と膝の間に指が2本入るとO脚の可能性が非常に高いので、一度チェックしてみましょう。
座り方
O脚になりやすい習慣として足を組んで座ったり、「アヒル座り」や「女の子座り」をすることが挙げられます。膝を中心として脚の内側と外側の柔軟性や筋力のバランスが崩れることでO脚を助長してしまいます。
そのような結果を避ける為、座る時は内股になりすぎない程度に膝を揃えて座るようにしましょう。
足裏の状態を改善する
偏平足や外反母趾、足の指が浮いた状態で歩いてしまうことなども重心が崩れる為、O脚の原因になります。
さらに「変形性膝関節症」の方の95%以上に外反母趾や指上げ足(浮き指)が見られたというデータもありますので、足裏の不安定さがもたらす悪影響はかなり大きなものだと言うことができます
外反母趾などは痛みがひどい場合以外は、しっかり治療を行う方が少ないですが、重心の崩れが体に及ぼす影響は想像以上に大きいので早めに治療を始めましょう。
O脚の改善方法
O脚を治すためにご自分でできることの一つにストレッチがあります。
膝が痛い方に行っていただきたい基本的なストレッチは「膝周りのストレッチで痛みを改善」で紹介していますので合わせてご覧ください。
大腿筋膜張筋のストレッチ
O脚のように重心が外側に偏った姿勢になると、太ももの外側にある大腿筋膜張筋という筋肉が常に張った状態になります。膝や股関節の骨格を正しい位置に戻すために、まずはこの筋肉の緊張を弛めることが必要です。
しかしこの筋肉は脚の外側に付いているので関節を動かすことでのストレッチは難しいのです。
太ももの前を伸ばすときは膝を後ろに曲げ、裏ももを伸ばすときは膝を伸ばすというように関節の動きでストレッチを行うことが一般的ですが、膝は左右にはほとんど曲がらない関節なので、ももの外側にある大腿筋膜張筋をストレッチするには道具を使うことをお勧めします。
それがストレッチポールと言われるものです。
これは背骨や肩甲骨・骨盤の調整なども行うことができる非常に便利なアイテムですので、腰痛や肩こりにお悩みの方のエクササイズやストレッチを行う時にも重宝します。
ではストレッチポールを使ってももの外側の大腿筋膜張筋のストレッチを行いましょう。
写真のようにももの外側、大転子(足の付け根の骨)のやや下をストレッチポールに乗せ、小さく前後に揺らし筋肉をほぐしていきます。
10~20秒ほど経ったらストレッチポールの当てる場所を少し下にずらして同じようにほぐしましょう。このように少しづつほぐす場所を移動させ、膝の少し上まで行ってください。
注意点
このストレッチを行う時は、重心をストレッチポールに当たっているももの部分にしっかり乗せるようにしましょう。
また、初めて行う時や大腿筋膜張筋の張りが強い方は痛みを伴う事があります。その場合は動きをつけず、ゆっくり呼吸をしながら同じ場所でしばらく静止しましょう。
動きをつけるのは痛みが軽減してからで問題ありません。
このように関節の動きでストレッチを行うことが困難な部位には、ストレッチポールのような道具を使って直接圧をかけてほぐす方法が効果的です。
今までストレッチを行っても膝の痛みやO脚が改善しなかったという方は、是非大腿筋膜張筋のストレッチを取り入れてみましょう。
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