膝に痛みのある方の中には、膝に水がたまるといった経験をお持ちの方もいらっしゃると思います。
一度水がたまると病院で水を抜いたとしても、繰り返し水が溜まってしまうことがありますので、原因を知った上で再発防止の為の対策を行う必要があります。
膝に水が溜まるメカニズム
大きく関わっているのが関節包です。関節包とは関節を包む袋のような物で、その中には関節をスムーズに動かしたりクッションの役目をする滑液という液体が入っています。
この滑液は関節内で起きた炎症を鎮める必要がある時や、軟骨などがぶつかってこぼれたかけらなどを洗い流す時に分泌量が増えるという特徴があります。
このようにして膝に水がたまった状態は水腫と呼ばれ、そのままにしておくと関節に問題が生じることがあります。
膝に水がたまると関節内部の圧力が高まり不安定になるだけでなく、圧迫されることによる血行の悪化に伴い痛みを感じることもあります。
そして痛みがあることによって膝を動かさなくなると、血行の悪化や筋力の低下によってますます関節が不安定になり軟骨組織への負担が増えたり、新たな炎症を発生させてしまうといった悪循環を引き起こす可能性があるのです。
発症しやすくなる要因
膝に水がたまりやすくなる要因の一つに加齢が挙げられます。
加齢に伴い関節が老化してくると、クッションの役目を果たす軟骨組織がすり減ってきます。
軟骨が少なくなりクッションが無くなると骨同士がぶつかり炎症が起きることで、滑液の分泌量を増やしてしまいます。
スポーツにも注意が必要
年齢に関係なく、長時間の歩行や激しい運動などで関節の組織が破壊された場合にも、膝に水がたまることがあります。
実は運動による膝の障害は子供にも多く、野球をしている子は肘などに痛みが出る場合が多いのに対し、サッカーをしている子は膝に痛みが出たり水がたまることが多いのです。
膝を治す為には?
このような場合に一番必要なのが、膝を休めることです。
無理に運動を続けるとさらに炎症がひどくなり、症状の悪化を招く恐れがあるので注意しましょう。
また、変形性関節症やリウマチなどの病気の場合も関節内に炎症が起きやすい為、膝に水がたまる可能性が高くなります。
このような場合は炎症の根本的な原因となっている病気の治療を最優先に行うことが、再発防止に不可欠です。
※「変形性膝関節症の症状と対処法」 「関節リウマチが引き起こす膝の痛み」を合わせてご覧ください。
膝に水がたまっているかどうかがわからなくても、痛みや腫れがある場合は早めに病院で診察を受け、適切な治療を受けることが重要です。
膝に水がたまっていた場合は注射器などで水を抜く処置が多く行われます。
水を抜くことで圧迫されていた部位の血流が改善され痛みも軽減することがほとんどですが、根本的な原因を取り除かなければその効果は一時的であり、繰り返し膝に水がたまってしまいます。
その為、軟骨がすり減っている場合にはコラーゲンやヒアルロン酸を注射で関節内に入れ、骨同士の衝突による炎症を防ぐ処置を行う場合もあります。
スポーツなどの激しい運動によって膝に水がたまった場合は、完全に炎症が治まるまでは運動を控え、再発を防ぐ為に関節を保護できるだけの筋力をつけるトレーニングを行なう必要があります。
そして日常生活でも以外と膝には負担がかかっていますので、普段からサポーターを着用し膝を安定させるのも良い方法です。
膝にたまった水を抜くだけで安心せず、根本的な原因を解消し再発の防止を目指しましょう。
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