ジャンパー膝(膝蓋腱炎)の原因と対処法



「ジャンパー膝」や「ジャンパーズニー」とも呼ばれる膝蓋腱炎は、ジャンプをした時に痛みを感じます。
その名の通りジャンプ動作がスポーツを行う人に多く見られる障害です。


ジャンパー膝の原因


膝を曲げ伸ばしする際には太ももの前面部の大腿四頭筋が収縮し、その力で膝から足首までを持ち上げます。
この時、膝蓋骨(膝のお皿)から脛骨(脛の骨)につながる腱である膝蓋腱が引っ張られます。
スポーツなどで繰り返しこの動作が行われると膝蓋腱に負担がかかります。

また膝蓋腱は着地の衝撃を吸収する役割がありますが、1トンとも言われるジャンプの着地時の衝撃を繰り返し受けることも大きな負担になり、膝蓋腱が炎症を起こし膝の痛みを引き起こしてしまうのです。


ジャンプ競技以外も注意が必要


実は膝蓋腱炎はバレーボールなどのスポーツだけでなく、ランニングを行っている人も発症することがあります。
ランニングには両足が地面から浮いている「遊脚期」という瞬間があり、これはジャンプしているのと同じことなので膝蓋腱炎の原因になってしまいます。



そしてジャンパー膝は急激な骨の成長に筋肉や腱の成長が追い付かず大腿四頭筋のや膝蓋腱の柔軟性が低下することも原因の一つになる為、成長期の男子や身長が高い人に多く見られるといった特徴があります。


ジャンパー膝になったら


主な症状としてはジャンプや着地に伴う膝の痛みの他に、膝蓋骨下部の腫れや膝蓋腱と脛骨の結合部である脛骨結節の隆起などが挙げられます。


応急処置


もしスポーツ時に痛みを感じたら、炎症を鎮める為にアイシングを行いましょう。
さらに大腿四頭筋のストレッチを行い、膝蓋腱が過度に引っ張られることを予防したり、サポーターやテーピングで膝の負担を軽くすることも効果的です。
※大腿四頭筋のストレッチについては「膝周りのストレッチで痛みを改善」をご覧ください。

                    



動作改善


膝への負担を減らす為には、ジャンプをする時に膝周りの筋肉だけに頼らず、お尻や太ももの裏の筋肉も動員できるようなフォームを習得することも重要です。
このフォームを習得する為には正しいスクワットを行うことが大切になりますので、日々のトレーニングにスクワットを取り入れてみましょう。
※詳しくは「正しいスクワットで膝痛解消」をご覧ください。






症状がひどくスポーツをしていない時にも痛みを感じるようになった場合は、しばらくジャンプ動作は行わずストレッチや足の筋肉のバランスを整えるトレーニングを行なう必要があります。


早期の治療が重要


無理に運動を続けていると膝蓋骨の下部がはがれる剥離骨折や膝蓋腱の断裂を引き起こすことがあります。膝蓋腱が断裂してしまうと、膝蓋腱を縫合したり体の他の部位から腱を移植する手術が必要になってしまいますので、スポーツ時にのみ痛みを感じる初期の段階で医師の診察を受け、適切な処置を行うことが大切です。

まずは病院でしっかり検査を受け症状の進行度を把握した上で、ストレッチやトレーニングを行ないましょう。

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