関節リウマチが引き起こす膝の痛み

膝の痛みを年齢のせいと決めつけて放置していませんか?
長引く関節痛の場合にはリウマチが原因となっているケースもありますので注意が必要です。


リウマチとは?


リウマチは本来体を守るはずの免疫機能が誤作動を起こし、自分の体を攻撃してしまう状態です。
そしてリウマチは手や関節の腫れから始まり、関節周囲の骨・筋肉・腱などにも炎症が広がり痛みを引き起こします。
 


リウマチの特徴・症状


リウマチは30代以降の女性に多く、男性の5倍も発症しやすいという特徴があります。
年配の方に多いというイメージかもしれませんが若い方でも発症する可能性は十分にありますので、少しでも思い当たることがあれば早めに医師の診察を受けるようにしましょう。

以下の項目に心当たりがある方は要注意です。

膝の他に指・手首・肘など複数の関節にこわばりがある

3か所以上の関節に腫れや痛みがでるのがリウマチの特徴の一つです。
また、朝に関節のこわばりがあることは珍しくありませんが、1~2時間こわばりが続く場合はリウマチの可能性が高くなります。


左右の関節が対称に腫れる

片方だけでなく左右の手や膝が腫れるのはリウマチの特徴です。


手首や指の関節が腫れている

初期症状は手首や指に現れることが多く、指先から二番目と三番目の関節に腫れが見られる場合はリウマチの可能性が高くなります。


このほかにも、ごく初期には体のだるさや熱っぽさ・食欲不振などの症状があるとい点が通常の膝の痛みと違う所ですので見落とさないようにしましょう。



関節リウマチを発症したら


関節リウマチで免疫機能が攻撃するのは関節包と呼ばれる関節を包む膜の内側にある「滑膜」という組織です。
症状が進行すると増殖した滑膜が軟骨や骨の内部にまで侵入し、関節軟骨が完全に破壊されてしまう為、骨同士がくっつき動かなくなることもあるのです。

さらに皮膚の下にしこりができたり、炎症による発熱や血管にも炎症が起きることによる神経の痺れやが出ることがあります。
また、炎症が心臓に関わる血管に広がることで心筋炎や心膜炎を引き起こし、動悸・息切れ・胸の痛みなどの症状が出る場合もあります。
さらに炎症は肺や目にも及び、胸膜炎や視力障害を伴う事もあるので注意が必要です。


早期治療が大切


関節リウマチは発症から2年間が最も進行が速いとされ、軟骨や骨の変形はこの時期に起こるので早期の診断と治療が重要になります。

関節リウマチの治療では、抗リウマチ薬・非ステロイド性消炎鎮痛剤・ステロイド薬などで炎症を鎮める薬物療法が中心になります。

ギプスなどの関節を固定する装具療法は関節の負担を減らす効果がありますが、関節をまったく動かさないのも良くない為、適度に関節を動かし可動域を広げる運動療法も合わせて治療を進めることが重要と考えられています。

また、最近では強力な抗リウマチ薬を使った抗サイトカイン療法という治療法があり、発症してから2年以内の患者に対して早期に症状を抑える効果が見られていますので、初期段階で治療を受けることはかなり重要なポイントであると言えるでしょう。


膝に水が溜まりやすい場合は要注意


よく膝に水が溜まるという症状の方がいらっしゃいますが、外傷がなく水が溜まる場合や水を抜いてステロイド剤を注入しても再発を繰り返す場合、さらにそれが両膝であるならばリウマチの可能性を考えるべきかもしれません。

少しでも疑いがある場合は放置せず診断を受け、早期に治療を開始するようにしましょう。

           

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