前後の筋肉のバランスを整えて膝痛予防

膝やその他の関節への負担を減らす為には、ストレッチで柔軟性を上げトレーニングで筋力を向上させる必要があります。
しかしストレッチやトレーニングは全身のバランスを考えながら行わないと、効果が発揮されるどころか関節への負担を増やし症状を悪化させてしまう場合があります。


前後の筋肉はセットになっている


特に意識したいのが体の前面の筋肉と後面の筋肉の柔軟性・筋力のバランスです。
ところが、どうしても目に留まりやすい体の前面に意識が集中しがちです。
「筋トレ」と聞いて思い浮かぶのはお腹を使う腹筋運動や、太ももの前面部を鍛えるスクワットなどではありませんか?


体の後面の筋肉に目を向ける


ストレッチやトレーニングを継続的に行っているという方でも、体の前面は行っているけど後面は行っていないことが多々あります。

もちろん腹筋などを鍛えることも必要ですが、体の前面部だけを鍛えていると前後の筋力バランスが崩れ、前面部の筋肉に引っ張られ猫背になってしまうこともあります。

ストレッチも同様で、体の前後の筋肉を満遍なく伸ばさないと柔軟性に偏りができ、歪みの原因になったり筋トレの効果が発揮されないという状態になってしまいます。


ストレッチとトレーニングは前後セットで


セットで行うと良い体の前面と後面のストレッチとトレーニング方法をご紹介します。


前後セットのストレッチ




上の写真は太ももの前側を伸ばすストレッチです。
これとセットで行いたいのが太ももの裏側のストレッチです。


前に出した足の膝を伸ばしたままお尻を後ろに引いていきます。
この時つま先を持ち上げるとふくらはぎの方まで伸ばすことができます。


そして上半身のストレッチも前後をセットで行いましょう。


後ろで組んだ手を少し持ち上げながら胸を広げます。
これで前面の胸の筋肉を伸ばしたら、次は後面の背中のストレッチです。


組んだ手が前に引っ張られるようなイメージで背中を丸めていきます。
しっかり背中を丸めたまま組んだ手で八の字を書くように動かすと、より多くの部分をストレッチすることができます。



前後セットのトレーニング


足を鍛えるのに最適な種目はスクワットです。


スクワットは全身の筋肉が使われますが、メインで使われるのは太ももの前面部ですので、太ももの裏側のトレーニングも合わせて行いましょう。


うつ伏せになり膝の裏に挟んだボールを潰し10~20秒ほどキープします。
写真では「ソフトジム」と呼ばれるトレーニング用のボールを使用していますが、クッションなどで代用していただいても問題ありません。


そして上半身です。
上半身のトレーニングでしっかり行いたいのが体幹部の腹筋を鍛える種目です。


膝を曲げ手を耳の後ろに軽く添え、ゆっくり上半身を持ち上げます。
この時肩甲骨が床から離れるポジションまで上半身を起こすことができれば十分効果が期待できますので、無理に力を入れすぎないようにしましょう。

そして腹筋の真裏にある腰の筋肉もセットで鍛えましょう。
ここで注意していただきたいのが下の写真のような運動は避けることです。


この運動は確かに腰や背中の筋肉が使われますが、動作のたびに腰が反り腰椎に負担がかかる為お勧めできません。

下の写真のような動作で腰や背中を鍛えましょう。


軽く足を開いて立ち手を耳の後ろに軽く添え、ゆっくり上半身を倒します。
膝は軽く緩めた状態で行いましょう。
無理なく行える範囲で反復しますが、最初は動きの大きさ・回数とも少な目に行ってください。


上の写真のように背中を丸めずに、しっかり胸を張って上半身を真っすぐにして行うように意識しましょう。


常に筋力と柔軟性のバランスを意識する


ストレッチ・トレーニングとも体の前面と後面をセットにして行うことが重要です。
もし行いづらい面があれば、その面の運動を多めに行うなどしてバランスを取っていくことも必要です。

体の表と裏を意識して整えることで一部分への負担の集中や姿勢の乱れを予防し、膝の負担軽減につなげましょう。

                 

0 件のコメント:

コメントを投稿