膝蓋骨はジャンプをして着地した時や階段を降りる時などに大きく動きやすくなります。
膝蓋骨不安定症の症状
初期症状は違和感や小さな痛みですが、症状が進行して膝蓋骨のずれが大きくなると動けなくなるほどの痛みに襲われることがあります。
また膝蓋骨が大きくずれ繰り返し脱臼状態になると、ジャンプのような動作ではなく普通の日常動作でも脱臼してしまうこともあるので注意が必要です。
膝蓋骨不安定の原因
膝のお皿である膝蓋骨は上にある大腿直筋や横・下方向の靭帯などに引っ張られて固定されています。
靭帯が弛むとバランスが崩れ、膝蓋骨を正しい位置に固定することができなくなると不安定な状態になり膝蓋骨不安定症の原因になるのです。
この時膝蓋骨は外側に引っ張られ、それを引っ張り返す役目の内側膝蓋靭帯が弛んでいたり切れていると脱臼を起こしやすくなります。
また、加齢も原因の一つになっている場合があります。
正常な状態であれば膝蓋骨と大腿骨(太ももの骨)はうまくかみ合っていますが、加齢によって骨がすり減って変形してくるとうまくかみ合わなくなると、膝蓋骨が不安定になり発症します。
それ以外にも若い女性やX脚の方、生まれつき関節が柔らかい方も膝蓋骨不安定症になりやすいと言われています。
膝蓋骨不安定になってしまったら
治療法としては、靭帯の損傷が見られる場合には靭帯の再建手術や、外側にずれてしまった脛骨粗面を内側に移動させネジで固定したり、膝蓋骨を外側に引っ張る力を弛める為の手術を行う場合があります。
しかし、手術が必要なほど症状が重くない場合はサポーターを装着したり、筋力トレーニングを行うことで膝蓋骨を安定させます。
筋力トレーニング
膝蓋骨不安定症の場合は膝蓋骨が外側に引っ張られずれてしまうことが問題になります。
その為筋力トレーニングでは、膝蓋骨を内側に引っ張る役目のある内側広筋を強化する運動を行うのが一般的です。
上の絵のように片方の膝を伸ばしたところで、椅子に付いている太ももの部分も少し持ち上げます。
この時に足の付け根からやや外側に捻った状態で行うと内側広筋のトレーニングになります。
※膝を曲げ伸ばしする運動ではありませんのでご注意ください。
再発を防止する為に
一度膝蓋骨の脱臼が起こった場合、20~50%の確率で再び脱臼が起きると言われています。
また、脱臼をしなくても50%以上の確率でい痛みや膝の不安定感が残ります。再脱臼を予防する為には医師と相談の上、正しい運動を行ってください。
また、サポーターは脱臼して日が浅い場合には日常生活でも装着し、その後もしばらくはスポーツなどを行う際には装着する必要があります。
一度目の脱臼は自然に治ることが比較的多いようですが、自己判断をせず医師の診察を受け正しい再発予防を行う必要があります。
症状が進行し日常生活にも支障をきたす恐れがありますので、膝にぐらつきや違和感を感じたら早めの対策を行いましょう。
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