内側側副靭帯損傷はスポーツの現場では比較的起こりやすい障害ですので、そのメカニズムと対処法を覚えておくことは予防や再発防止に役立ちます。
内側側副靭帯損傷
内側側副靭帯はその名の通り膝の内側にあり、横方向へのぐらつきを抑え膝を安定させる役割があります。そして内側側副靭帯損傷は部分的に傷が付いている程度の状態、靭帯が部分的に切れている状態、靭帯が完全に断裂している状態の3段階に分けれます。
軽度の損傷や部分断裂の場合は、ギブスや装具を使って患部を固定し安静にすることで靭帯の修復を目指す保存療法が多く行われますが、完全断裂の場合は靭帯を修復する手術が行われることもあります。また、症状が重い場合は前十字靭帯損傷や内側半月板損傷を合併している可能性が高くなります。
起こりやすい場面とは?
スポーツの現場で内側側副靭帯損傷が起こりやすいケースとして、ラグビーやアメフトなどのタックルを地面に踏ん張っている脚の外側から受けてしまうことや、スキーの転倒時に膝が内側に無理に曲げられるような圧力がかかった時などがあります。
また、バレーボールやバスケットボールでの膝を内側に捻る動作を伴う急激な方向転換やジャンプの着地、サッカーなどで膝の内側を蹴られるような直接の衝撃が原因で靭帯を損傷してしまう場合もあります。
正しい対処法
もし内側側副靭帯損傷が疑われるようなアクシデントが発生した場合には迅速にRICE処置を行いましょう。
RICE処置とは「安静」「冷却」「圧迫」「挙上」のことで、直ちに運動を停止し患部を心臓より高い位置に上げた状態でアイシングと圧迫を行い血液の流れを制限することで内出血が広がるのを防ぎます。
迅速にこの処置を行うと、その後の治療期間や回復までの期間を短くできる可能性が高くなります。その為、病院に向かう間も可能な限りRICE処置は継続しましょう。
競技への復帰に向けて
一度靭帯を損傷すると競技に復帰するまでには早くて2~4週間、完全断裂の場合は4ヶ月ほどかかる場合があります。
復帰には競技動作を行っても痛みが無いことが最低条件ですが、痛みが無くなっても靭帯の修復には予想以上に時間がかかることがありますので、再び競技を行う際にはサポーターやテーピングで膝を安定させることが重要です。
靭帯を守る為の対策
内側側副靭帯損傷の予防や再発防止には動作の改善が必要な場合があります。
踏み出した脚の膝が内側に入りやすい方は常に膝の内側に負担がかかりやすく、タックルなどで膝の外側から内側への衝撃を受けた時に内側側副靭帯を損傷しやすくなります。
このような動作になってしまう原因としては、筋力や柔軟性のバランスの崩れや足裏の問題などが考えられますので、膝周りだけでなく体の状態を総合的に見直して整えるようなトレーニングが必要です。
0 件のコメント:
コメントを投稿