歩くと膝が痛くなる場合の原因と対策



安静時には痛みが無くても、歩いている時や歩いた後に膝が痛くなるというケースがあります。歩行動作は日常生活で欠かせない動作である為、歩行が困難になると生活の質が著しく低下してしまいます。また、ダイエットにもウォーキングが欠かせない運動の一つになっていますので、膝の痛みを改善することはとても重要なことなのです。

                    

歩くと膝が痛くなる原因


歩き始めに痛みが出て徐々に収まっていく、しばらく歩いていると痛みが出る、歩き終わった後に痛みがでるなど、症状の出方は様々です。しかし、痛みが出るということは何かしらの原因があり、それを解消しないことには繰り返し痛みを発症してしまいます。


膝周りの筋力・柔軟性の低下


関節はその周りの筋肉によって守られていますが、筋力が低下すると骨を正しい位置に固定したり、ぐらつきや衝撃を吸収することができなくなり、骨や靭帯にかかる負担が大きくなります。そのような状態で歩行動作が繰り返されることにより、炎症が起きたり症状が進行すると関節が変形する場合もあるのです。
また、柔軟性が低下すると動作中に求められる筋肉の伸び縮みが十分に行えない為、筋肉につながっている腱や骨が引っ張られることで、炎症や痛みを引き起こします。そして筋肉が硬くなると血行が悪化することにより疲労物質が溜まりやすくなることも、膝の痛みや「冷え」につながってしまいます。


姿勢不良


膝は靭帯の中でも長い太ももの骨と脛の骨を繋ぐ位置にあり、とても不安定な関節です。その為、膝自体に問題が無くても姿勢不良などで重心が崩れていると、その負担が集中してしまうのです。
猫背や反り腰、膝が反ってしまう反張膝などは特に膝への負担が大きくなりやすく、その状態で歩いていると膝に痛みが出てしまうのも当然と言えるでしょう。
そして姿勢不良は膝の痛みだけでなく、腰痛や肩こりの原因にもなりますので注意が必要です。


足首・足裏の機能低下



足首は歩行動作において重要な役割があるにも関わらず、あまり意識されていない部位です。歩行時には、つま先を持ち上げて踵から着地しつま先で地面を押し出すという動作が正しく行われなければいけません。しかし足首の動きが悪くなると足裏を地面にするような歩き方になり、衝撃を吸収できず膝への負担が大きくなるだけでなく、つまづきやすくもなってしまいます。
また、立っている状態では足裏が唯一地面に接地している面である為、足裏の機能低下は全身のバランスを崩してしまう原因になります。特に外反母趾や浮指などがある場合、ほぼ確実に重心の乱れがあると言っても過言ではありません。そのような状態で歩行動作を繰り返していると、膝には徐々に負担が溜まり、症状が進行すると歩行時だけでなく慢性的に痛みを感じるようになる可能性もあります。


歩行時に膝の痛みを抑える為には?


膝に痛みがあると徐々に歩行動作を避けるようになり、ついには外出することですらほとんどなくなってしまうケースがあります。早めの対処を心掛けることで生活の質の低下を防ぐことが重要です。


適度な運動


膝が痛いからと言ってまったく動かさないでいると、ますます関節の機能は衰えてしまいます。日頃から無理の無い範囲で筋力トレーニングを行ない、膝を守れる筋力を養うことが重要です。スクワットなどの動きや負荷が大きい運動に不安を感じる方は、動きの少ない種目から行うと良いでしょう。
※詳しくは「膝を曲げ伸ばしすると痛い場合のエクササイズ法」をご覧ください。

また、運動の中には筋力トレーニングだけでなくストレッチも含まれますので、まずはストレッチを習慣にするだけでも効果的です。特に歩く前後には念入りにストレッチを行うことで、筋肉を動きやすくしたり疲労を蓄積させないことにつながりますのでお勧めです。
※ストレッチ種目については「膝周りのストレッチで痛みを改善」をご覧ください。


正しい姿勢を維持できる体を作る



膝に痛みがあるとそこに意識が集中しがちになりますが、体は全てつながっていますので姿勢や骨格の歪みは膝や腰の痛みにつながります。その為、普段から正しい姿勢を心掛け特定の部位に負担がかかるのを防ぐ必要があります。姿勢が乱れる原因には筋力や柔軟性の低下が挙げられますので、日頃の意識を持つと共に全身のバランスを整えるストレッチやトレーニングを行ないましょう。
※詳しくは「体の歪みを治して膝痛解消」 「前後の筋肉のバランスを整えて膝痛予防」をご覧ください。


足元の状態を改善する


普段何気なく歩いているように思いますが、足首や足裏はとても重要な役割を果たしています。全身の面積からするととても小さな部位ですが、地面に近い部位である為全身の動作に関係してきます。
足首のストレッチはあまり行う機会がないという方も多いと思いますが、歩行には足首の正しい動きが欠かせませんので、適度な可動域を維持できるようにストレッチやエクササイズを行い、外反母趾など足裏の重心を崩してしまう要因も早めに解消することが重要です。
特に外反母趾には靴が大きく影響していますので、自分に合った靴を選ぶことが大切になります。
※詳しくは「膝に優しい靴選び」をご覧ください。


このようにまずは歩行動作に耐えられる体にしていくことがポイントになります。その上で歩いている時に疲労と共に姿勢が乱れていないかのチェックも行い、膝の痛みを感じずに歩ける状態を目指しましょう。

               

0 件のコメント:

コメントを投稿