筋肉があれば膝が痛くならないとは限らない!?膝痛と筋肉の関係とは?

膝が痛くて病院に行くと「膝周りの筋肉をつけなさい」とお医者さんに言われることが多いと思います。実際に筋肉をつける為の運動を行っていらっしゃるかもしれませんが、実は単純に筋肉がつけば膝の痛みを予防できるというものではないのです。


膝の痛みと筋肉の関係


関節は周りの筋肉によって、動かしたり安定させたりすることができます。その為、筋肉が無いと関節の機能が十分発揮できなかったり、衝撃やぐらつきに耐えられず痛みを引き起こしてしまうことがあるのは確かです。
しかし膝などの関節の状態に関わるのは、筋肉の量だけではないこともあるのです。


筋肉量と体重


筋肉量が適正かどうかの基準に使われるものとしては、性別や身長が一般的です。しかし性別や身長から見ると筋肉量が適正値にあっても、体重に見合った筋肉量がなければ関節を守ることは難しいと言えるでしょう。逆に痩せている人の場合は、身長に対する筋肉量が少なくても膝などの関節に痛みが出ないというケースが多く見られます。
つまり、筋肉の量自体が多いか少ないかよりも、自分の体重という負荷から関節を守れる筋肉量があるかが重要なのです。


筋肉量と筋力


「筋肉量が多い=筋力がある」と勘違いをしがちですが、実は筋肉量は多くても筋力をうまく発揮できていないと関節を守るという筋肉本来の役目を果たせていないことがあります。
スポーツ選手は一般人よりも筋肉量は多いはずなのに膝の痛みに悩まされている選手が大勢います。もちろんスポーツのような激しい動きに耐えられる筋力をつけることは簡単ではありませんが、気を抜いていると日常生活の中にある動作にも耐えられないほど筋力は低下していきますので注意が必要です。


筋肉の柔軟性


筋肉は場面に応じて伸び縮みをしなければいけません。この時に筋肉の柔軟性が無いと、筋肉とつながっている靭帯や骨が引っ張られる力が強くなり、炎症や痛みを引き起こすことがあります。
また筋肉が硬くなると血行が悪くなる為、冷えや疲労物質の停滞などの問題にもつながってしまうのです。筋力が年齢と共に低下するというのはイメージしやすいと思いますが、柔軟性も年齢と共に低下するということも忘れないようにしましょう。



筋肉を効果的に膝痛予防に使う方法


筋肉量はあるはずなのに膝が痛い、筋トレをしても痛みの解消につながらないという方は、様々な面から筋肉を有効に使う為の対策を行うことが必要です。


体重を適正に保つ


体重が適正値を超えている場合には、筋肉を増やしたり鍛えたりするよりも体重を落とすことが最優先になります。中には体重を落としただけで膝だけでなく腰の痛みも改善されるケースがあります。
しかし体重を落とすときに重要なことは、急激に体重を落とすようなダイエットは避けるということです。無理なダイエットには極端な食事制限が付き物であり、必要な栄養素までもが不足することで筋肉量の低下につながってしまうのです。体重が落ちても筋肉量が一緒に低下してしまっては、いつまで経っても体重に見合った筋肉量を確保できない可能性がありますので、適度な食事管理と運動を組み合わせ脂肪を徐々に落としていくようなダイエットを行いましょう。
※ダイエット方法に関しては「健康運動指導士が教えるダイエット」をご覧ください。


効率的に筋力を発揮できる筋肉を作る


人間は持っている筋肉の力を100%発揮できるわけではありません。しかし筋肉量が100ある中で70%しか力を発揮できない人と、筋肉量は90でもその中で80%の力を発揮できる人とでは、後者の方が体をうまく使うことができるのです。
スポーツをしていない場合でも、日常生活の動作の中には不安定さや衝撃のかかる場面が意外と多くありますので、そのようなシーンで関節を守れる筋力をつけるつけるトレーニングが大切です。
筋肉量を増やすには時間がかかりますが、今ある筋肉をうまく使えるようにするトレーニングは比較的早い段階で効果を実感できますので是非取り入れてみましょう。
※トレーニングの行い方については「衝撃を吸収して膝の負担を減らす」 「膝の安定性を向上させて痛みを治す」をご覧ください。


ストレッチを習慣にする


筋力を十分に発揮させ靭帯や骨に負担をかけないようにする為には、日頃からストレッチを行い筋肉の柔軟性を向上させることが重要です。運動の前後だけでなく、起床時や就寝前などにもストレッチを行うと効果的です。
また、痛みが強い時などは無理にトレーニングを行なわず、ストレッチで筋肉の状態を整えるだけでも十分効果が期待できます。
※ストレッチの行い方については「膝周りのストレッチで痛みを改善」をご覧ください。


膝だけでなく全身に目を向ける


痛みがあるとどうしても膝に意識が集中してしまいがちですが、体はすべてつながっています。膝の痛みの原因が実は違う部位にあるというケースも見られますので、余裕があればトレーニングやストレッチを全身満遍なく行うとさらに効果的です。
安易に足の筋肉量にとらわれず、体重や筋力の発揮や柔軟性、そして全身のバランスを整えることも忘れずに関節を守れる体を作りましょう。

                

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