膝の痛みがある場合は太ももの筋肉を鍛えるというのが一般的によく言われている対策ですが、実際には太ももの筋力トレーニングを行なっても膝の痛みが解消されないケースが多く見られます。辛い思いをしてトレーニングをしても痛みが解消されないと諦めてしまい、膝の痛みを放置することでますます症状が悪化してしまうこともあるのです。
太もも以外のトレーニングも必要
痛みがあると、どうしても患部に意識が集中してしまいます。もちろん膝周りの筋肉を鍛えることは膝関節の変形を食い止める為には重要ですが、膝に負担がかかる根本的な原因には体の他の部位が大きく関係しています。
体幹部を鍛えて姿勢を改善
膝には体重の何倍もの負荷がかかると言われています。正しい歩行動作を行っていてもそれだけの負荷がかかるのに、姿勢が乱れているとさらに大きな負荷が膝にかかることになります。そのような状態では、いくら太もものトレーニングを行なっても膝へのストレスを軽減することは難しいでしょう。
膝のように体重を受け止める関節は、その上の部位の状態の影響を非常に受けやすい関節です。姿勢の乱れなどにより重心が崩れることは膝の負担に直結しますので、体幹部のトレーニングを行ない正しい姿勢を保持できる筋力を養いましょう。
※詳しくは「体幹を鍛えて膝痛予防」をご覧ください。
体重増加による負担を減らす
標準以上の筋力があっても、体重が適正値を超えていては膝への負担をカバーしきれません。場合によっては、筋力は変わらなくても体重が落ちただけで膝の痛みが解消されることも珍しくないのです。その為、肥満の方の場合は脂肪燃焼を促すトレーニングを優先する必要があります。
しかし体重過多の状態でいきなり長時間のウォーキングやランニングを行うと、さらに膝への負担が増し運動自体も行えないほど症状が悪化してしまう可能性がありますので注意しましょう。
体重を落としたいけど膝に不安があるという方にお勧めなのが水中ウォーキングです。プールを利用できる環境がある方は是非取り入れてみましょう。
※ダイエットや水中ウォーキングについては「肥満を解消して膝の痛みを治す」をご覧ください。
鍛えるだけでなく弛めることも必要
膝の痛みの原因には筋力の低下だけでなく、柔軟性の低下が大きく関係しています。
筋肉が硬くなると、つながっている靭帯や骨の付着部が引っ張られて炎症が起きひ座の痛みを引き起こします。また柔軟性が低下した筋肉は血行が悪化し、老廃物や疲労物質を溜め込みやすく痛みの元になる有害物質が増える要因になってしまいます。
トレーニングはもちろん必要ですが、その前にしっかりストレッチを行い筋肉の状態を整えることが重要です。痛みがひどく通常の運動が行えない場合でもできる限りストレッチをしておくことで、その後の運動効果を最大限に引き出す為の準備をすることにもなるのです。
※詳しくは「膝周りのストレッチで痛みを改善」をご覧ください。
全身を総合的に調整する
膝の痛みを解消するには、太ももの筋力トレーニングだけでなく全身の筋力や柔軟性の向上や体重を適正値にコントロールすることなどが必要になります。膝だけでなく腰などの関節に痛みがある場合も、局所的な対策を行うだけでは効果が表れにくいことがほとんどです。
全身を正しく調整し特定の部位に負担が集中しない体を作ることが、膝などの関節の痛みを改善する為には重要なのです。
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